主催:日本建築協会2023年度 第69回工高生デザインコンクール
設計課題 わくわくする小さな駅
課題の趣旨
「駅」それは、旅に出るときに最初に訪れる場所であり、また、旅の目的地として、降り立つ場所です。人は誰も旅に出るとき、わくわくする気持ちを感じるものです。しかし、地方では過疎化が進行し、さらにコロナ禍によって鉄道を利用する人が減少してきています。国土交通省によると、2020年3 月時点の無人駅は4564駅と全国の約48%を占め、駅の無人化はおろか、鉄道路線そのものの廃止が議論されるなど、鉄道経営は現在岐路に立っています。
一昔前であれば、多くの駅の駅前には広場があって店舗が集まり、街の顔として賑わっていました。最近では大きな駅の周囲でも閑散としているところもあります。
その一方で、駅の中にはまちの活性化の施設として成功した例や美しい海岸線や自然の緑に包まれた山の中といった、非日常的な風景の場所にあるものなど、観光資源として潜在的な魅力を持った駅も数多く見られます。
駅舎や敷地の有効活用をめぐり、前例にとらわれないアイデアが各地で望まれています。鉄道会社や民間企業、行政、地域住民らの連携で「地域の個性を発信する場に進化できる」場所になるのではないかという期待が高まっています。
駅としての機能を確保した上で、あなたが考える「わくわくする小さな駅」とはどのような場所でしょうか。そこには、誰が集まり、誰と交流できるのか、旅立ちの場なのか、旅の目的地なのか、ときめきがギュっと詰まった、「わくわくする小さな駅」を提案してください。

最優秀賞牌
設計条件
1.建物の目的 | 小さな鉄道駅の提案。 |
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2.敷地 | 敷地の大きさ形状とも自由とし、具体的な敷地を設定する。 |
3.規模 | 延べ面積、構造、階数は自由とする。 |
4.所要室 | 使用方法を想定し、必要と思われるスペースを適宜設ける。 |
所要図等
1.設計説明 | 設計意図を表すサブタイトルを必ずつけること。 設計趣旨(使い方、立地、周囲の状況等についての説明を含む)を記入すること。 |
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2.建築概要 | 必要に応じて敷地面積、建築物の構造、階数、各階床面積および建築面積、延べ床面積などを示す。 |
3.敷地周辺図 | 敷地周辺の環境や状況を示す。縮尺を明示する。 |
4.配置図 | 敷地における建物の位置、周辺環境との関係、方位、縮尺を明示する。 |
5.平面図 | 室名、寸法を記入する。縮尺を明示する。 |
6.立面図 | 縮尺を明示する。(2面以上) |
7.断面図 | 室名、寸法を記入する。縮尺を明示する。(1面以上) |
8.透視図等 | 設計意図が最も反映するところを表現する。透視図は手描きによる作図を原則とするが、コンピュータグラフィックス、模型写真に代えてもよい。 その他必要とされる手描きの図面は加えてもよい。 |
9.その他 | 応募図面には、氏名や学校名、マークなど応募者を特定あるいは類推できる内容は記載しないこと。 |
応募条件
1.用紙 | 用紙はケント紙などの厚手の製図用紙A1判(594mm×841mm)1枚を使用し直接描くこと。トレーシングペーパーと裏打用紙の重ね使用や図面のパネル化は認めない。 |
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2.仕上げ (作図、文字) |
所要図等は手書きによる鉛筆仕上げとする。ただし、色鉛筆による着彩は可。また所要図等のうち、透視図(コンピュータグラフィックスも含む)、模型写真のほか設計説明を補完する図や写真などは用紙に貼り付けてもよい。なお、製図用紙への図表等の印刷出力など上記以外の仕上げは禁止する。 |
3.応募資格 | 2023年4月現在、高等学校在籍もしくは高専、専修学校の高等課程の生徒で、個人または共同(3人まで)で制作したものとする。 |
応募方法
応募方法 |
1.応募書類に、学校名・所在地・学年・氏名(ふりがな)を記入の上、封筒に入れ密封し、製図用紙の裏に貼りつけること。(応募書類が足りない場合はこちらからダウンロードしてください。また封筒の貼り付けは、封筒がはがれない程度で、簡易にテープ止め等で結構です。図面を破損する恐れがありますので、糊のベタ塗りはしないでください。) 2.応募作品は学校を通じて提出すること。 |
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締切期日 | ※終了しました 2023年9月30日(土)の消印、あるいは受付印のあるものをもって締め切る。 |
送付先 | 〒540-6591 |
入選作品の数 および賞 |
1.入選作品は10点とする。 |
入選者発表 および表彰式 |
審査の結果は、各学校ならびに本人に通知するほか、本会の会誌「建築と社会」11月号に発表し、入選作品は翌年1 月号に掲載する。表彰式は、2023年11月18日(土)に行う。 |
審査員 (50音順・敬称略)
審査員長 | 平岡 健太郎 | (株)竹中工務店大阪本店設計部グループ長 |
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審査員 | 伊藤 翔 | (株)大林組設計本部建築設計部課長 |
岩瀬 諒子 | 岩瀬諒子設計事務所 | |
惠本 涼太郎 | (株)日建設計設計部門ダイレクター | |
奥 貴人 | (株)安井建築設計事務所設計部部長 | |
岸下 真理 | Atelier KISHISHITA共同代表 | |
久保 岳 | (株)昭和設計建築設計部大阪部長 | |
根木 和人 | (株)東畑建築事務所本社オフィス大阪設計室副室長 | |
藤木 庸介 | 滋賀県立大学人間文化学部生活デザイン学科教授 | |
𠮷村 理 | 𠮷村理建築設計事務所代表 |
このコンクールは、高校生の設計技能の向上を目的とし、昭和30(1955)年より毎年テーマを変えて開催しています。