ごあいさつ
建築を通じて社会に貢献する
「価値あるプラットフォーム」へ
日本建築協会は、1917年(大正6年)、関西建築界の草分けのひとり片岡安工学博士の主唱のもと、武田五一ら関西の建築家によって「関西建築協会」として創立されました。1919年「日本建築協会」に改称、1926年建築関連では日本で最初の公益法人となり、2013年には一般社団法人へ移行、今年で108年目となる歴史と伝統のある団体です。建築設計事務所、建設業をはじめ建築材料、建築設備、機器メーカー、官公庁・教育機関等建築関係の各分野から参加する幅広い会員からなり、創立以来「建築を通じて広く社会に貢献する」ことを目的として、月刊の協会誌「建築と社会」をはじめとする出版物の発行や見学会、講演会、講習会など多彩な事業を展開しています。
さて、我々を取り巻く社会情勢や環境はひと時も留まることなく激しく変化しています。特に、生成AI技術の進歩はめざましく、日常の様々な場面においてAIの活用が図られ、急速な変革が進んでいます。昨年の当協会の活動のテーマは「トランスフォーメーション」でしたが、今年は戦後80年を迎え、昭和100年にあたる年でもあります。また阪神淡路⼤震災から30年が経過しました。さらに「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げた大阪・関西万博も開幕しました。これまでの過去を振り返るとともに、現代社会で起こっているトランスフォーメーションの先にはどのような未来が拓かれていくのかを考えるということで、会誌「建築と社会」の年間特集テーマ、および協会の活動テーマを「未来」としました。
多様な課題が複雑に絡み合う混沌とした時代であるからこそ、多角的な情報収集、リアルな体験、他者との交流を通じて得た学びなどにより、ものごとを多面的な視点で捉えることが求められます。当協会の特徴のひとつは、様々な領域に属する会員の多様性にあり、個々人の多面的な活動のプラットフォームとなることが当協会の存在意義であると認識しており、会員同士の交流の促進と、自己研鑽の機会の提供を図っていきます。
現在のOMMビルに協会本部が移転して20年余り経ちますが、この度、U-35委員会の協力のもと、OMMビルの協会事務所が、新しいワークプレイスに生まれ変わりました。各種委員会のミーティングでの利用をはじめ、会員の皆様にタッチダウンオフィスとしてご利用いただくことも可能で、会員活動の拠点として、また協会のサロン的スペースとなることを期待しています。是非お立ち寄りください。
協会は皆さまのためにあります。より魅力的に、活き活きと活動できる場とするために、京都、東海、中国の各支部とも緊密に連携し、今後は首都圏にも活動の場を広げることも念頭に、より一体的な運営に努めてまいります。引き続き皆さまのご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
